よりぬきzig7月号(2022)
鱗取り、内臓取り。魚の血液、鱗を剥がしていく時のその音、迫り上がる複雑な生臭さ、そういう体験を全身が欲していて、調理をして、食べる。本当に食べるということをする。
2022.7.2
鮎と日本酒と初夏。
2022.7.3
「疲れた」という簡単な概念に吸わせては惜しいほどの、「手厳しい記憶」を味わう。
押し潰そうと肉薄する他人の運命を、グーっと押し返す。それは腐敗しているよ、と声を大きくして拒絶する。
アンパンマンの匂いで飛んじゃって大変さ。
2022.7.4
7月上旬の珍味、蝉の幼虫の素揚げ。昨晩近所の公園にて採集してきたものを調理。非常に美味。腹は枝豆風味の炒り卵、胴体の筋肉は鶏肉、頭部手足は海老のしっぽ。
不労所得で暮らしたいと憧れながら、実際はゲボが出るほど他人と関わりながら、脅かされ、付き合わされて、したくもないことして、ドッコイ生きている。
2022.7.5
職場に対する明確な嫌悪と、看過してきたハラスメントの数々。胃がひっくり返りそうになる日々の葛藤をその都度押し殺して、すり潰して、何事もなかったという表情を作って、精神薬や酒や煙草を身体に入れまくる日々に、慣れ過ぎてしまった。心の底が涙で一杯だ。
2022.7.12
今夏二度目の磯採集。漁業権のかからない磯蟹と岩殻貝を採集。
2022.7.17