承認欲求の骨

総合的な言語感覚を磨く練習です。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

淡家朴『注意する声がうるさい』(2019)

人が30人も40人も集まって、全員が澄まし顔をして、静けさを保存しているという様子は、極めて異様である。 そこに咳払いの一つでも落として、その張り詰めた空気を緩和したいという気に駆られる。 30人全員が初対面という事情ならば、静けさが保たれること…

淡家朴『勉強をしたくない人たち』(2019)

僕は勉強をしたくないんです。 と、言い切ってしまうと、バカっぽいので。 そういう人たちは、往々にして「勉強する意味」などという幻想を追い始める。 勉強をする意味とは何か。 「歴史」を勉強する意味は何か? そもそも、歴史とは何か。歴史とは歴史家の…

淡家朴『教育』(2019)

そういう言葉に対面して、ほぼ何も思わなくなってから、一体どのくらいでしょうか。 どうか、と言われても、ええそのようですねと答えることしかできません。 教育論、こういう教育をすれば、こういう人間が育ちますということが、色々書いてあっても、仕方…

淡家朴『子育てという無駄な努力』(2019)

子育てとは、全て無駄な努力である。 何故ならば、セックスをして子供を作りさえしなければ、その努力はしなくてよかったことであるからだ。 言うなれば、セックスのオプションである。 しかし、こう言い捨ててしまうと、あまりに救いがない。 何故ならば、…

淡家朴『思いやりというオナニー』(2019)

人は、性が下手である。 人の人を好きになり方が、顔や、血、目の色や、皮膚の色、障害の有無、思考、解釈の違い、身長、脚の長さ、胸の大きさ、脂肪の量… とにかく、そういった、差異を経由することが、性の下手な何よりの証拠であろう。 性が下手とは何か…

淡家朴『浮気とは何か』(2019)

浮気とは何か。 まず、手元の検索エンジンを使ってみる。goo国語辞書によると、 1 一つのことに集中できず心が変わりやすいこと。また、そのさま。移り気。 2 (性愛の対象として)特定の人に心をひかれやすいこと。また、そのさま。多情。 3 配偶者・婚…

淡家朴『虚像』(2019)

書き手があるということは当然、書かれたものが存在していくということに結びついている。そして、書かれたものは常に、読み手の視線が注がれることを待っている。 私は書き手として、視線を設定するという一番大切な作業を怠っていたようだ。 つまり、何処…

淡家朴『存在と無気力』(2019)

私は何だろうか。 確かにある、このはっきりとした実際。 身に覚えている存在。 「実存」という言葉があるようですが、それはそれで、そういう一つの到達地点。 古い流行歌謡のような哲学。 じゃあ、私は、何なのか。 私は、きっと、それではないし。 そうい…

淡家朴『行為依存としての芸術』(2019)

沖合に出て漁をして、混沌の海の中から魚や蟹を取り上げて、それを生きていくための糧にした海辺の人。森の中を闊歩する鹿や熊を、狩猟し、それを生きていくための糧とした山里の人。そのどちらの人も、同じように、ストーリーを持とうとしました。これが、…

淡家朴 『睡眠をやめてみる宣言』(2019)

私は、考えている。 ある時にはペンを持って、ある時にはギターを抱え、ある時には手持ち無沙汰で、私は考えている。 私は、向き合っている。 今、まさに今、刻々と過ぎていく時間と、向き合っている。とりわけ、これといった理由も、目的も無い。ただ、意識…

淡家朴『頭爆発しそう』(2019)

私が今まで、音楽、ことCDに費やしてきた金額を、簡単に計算しましたら、300万円でした。 多分、楽器や、スタジオレンタル費用、ライブノルマ費用など、音楽に関する全てを合わせたら500万円くらいにはなるでしょう。 養育費に換算すると、中学生くらいまで…

淡家朴『優しい人ねって言われても』(2019)

優しい人だね。 私の中の、言われたら傷つく言葉ランキング上位を誇り続けている、まじないのような言葉です。 「やさしい」 やさしいとは、何か。 私が、他者に「優しい人だね」といわれた時の、私の心理を率直に描写すると以下のようになります、 「優しい…

淡家朴『私は面白くない人』(2019)

私は、あまり人と話したくはありません。 特にコミュニケーションが苦手という訳ではありません。むしろ、他人に媚び諂ったり、コロコロと表情や態度を変えたり、時には虚偽の評価を伝えて、相手を喜ばせたりすることに上手な、所謂「上手を言うズルい」人間…

淡家朴『行儀脅迫根性』(2019)

「行儀が悪い」 こういう言葉を、何度も聞きました。 そして、何度も聞きながら、未だにこの行儀なるものと、打ち解けられていない私がいます。 行儀とは、何か。 例えば、食事の場面で、食事に集中しなければ、行儀が悪いと言われてしまいます。 つまり、食…

淡家朴『死後の世界』(2019)

死後の世界はあるのか。 私は、無いと思う。 理由は、簡単。 数ある臨死体験の、どれを読んでも、 人間の宗教の世界観の域を出ないからだ。 臨死体験として、世界的な注目を浴びたのは、アメリカの脳外科医、エレンアベグサンダーのものだろう。彼は、脳外科…