承認欲求の骨

総合的な言語感覚を磨く練習です。

格好つける体質に嫌気させど

 

 

生きていることと、死んでいることの差を

言葉なんかでは埋められないことを

知っていたはずなのですが、

言葉に傷つき、言葉で傷つけ

器を見抜かれては、笑われてしまいます。

 

夢は簡単に通り過ぎて、

とっくに置いていかれて、

 

弱い人を虐めていた頃に

飼い慣らしてしまった

弱い弱い自分の中のモンスターが

大口を開けて、

ダークサイドの知足安分を唱えています。

 

ほんのひと昔の輝きを過去にして、

片手を離してしまったことは確かです。

ただ、淡々と行こうとしただけですが、

それは、人間力の不足だと咎められ、

無言の叱責と、同調圧力に心をやられ、

朝は、どうしたらいいのか、

わからなくなります。

 

やめてしまいたいなどという、愚痴にもならない愚痴を。声にもならない駄々を捏ねては、憂鬱と、うつつの狭間を、悲しいままで歩いていきます。

 

人前では、選択肢など無く、ヘラヘラと、引きつり笑いをばら撒いて、静かに我儘だけは通して、やるべきことはやらない。

先延ばしの癖とも、最近は上手くいかなくなって、ついつい要らぬ光を集める眼球です。

自分のことをクズだって言えるようなクズになりたくてもなれなかった、恥ずかしがり屋の一番不器用で真面目な人がいたら、同じような人がいたら、遠くで見ていたい。

 

自分の煙はいいけど、他人の煙は嫌い。

 

自分の憂鬱くらい、自分でなんとかしないと、

貧乏神同士の引っ張り合いは御免だ。

 

また、独りになるよ、きっと。

だからギターとペンは離しちゃいけないんだ。

 

もう、独りなのかも、永遠に。

でも、希望は捨てちゃいけないんだ。

 

そう言い聞かせて、

何も練習もしないくせに、

格好つけて、実力を棚に上げて、

 

これしか知らないから、

ずっと無駄に生きている感じ。

 

続くなぁ、悔しいなぁ。

 

 

 

淡家朴:第二作品:『駅員』(2018)

『駅員』

 

 

作者: 淡家朴

 

 

 イケメン走性の眼球とその他諸々の神経の集合体は、自己の顔面という概念を忘却し、ただ乳房をぶら下げて、無人駅のふりをしている。

私は、無銭乗車の常習犯を今日も捕まえられないでいた為、無用に苛立っていて、

「ちよっと〻、おじやうさん、そんなところで、そんなかっこうをしていると、いまにつままれますよ。」と言ってやった。

が、無駄であった。無人駅は既に沈黙していた。

粘性の毒液を垂れ流しながら、その眼球は、既に眼前の光景を捉えて離さなかった。

私は二等辺三角形を描くように視点を動かして、その視点の結び目を探してやった。

色の無い箱の色の無いコート、ただ髪の毛を持った亀頭のイヤフォン、180センチ四方の生肉のトーテムポールが、アスファルトから生えて、こちらへ向かって緩やかな突進をしていた。

よく見ると、なんと背中にはギターを背負っているではないか。私は戦慄した。

「おっと、これはまずい。おじやうさん〻、そこを退きなさい。あれは、まずい。バンドマンなるものじゃ。こりゃ〻、退きなさい〻。」

 

無駄であった。

 

無人駅は口角を上げて、こう言った。

「ギターをね、上手に触れる人はね、私にもね、上手に触れるに決まっているわ。そう思っていたの。そう思っていたのだけど、それは全部ウソだった。だから、今度はこうして、無人駅をやって、死んだ木をトーテムポールに、トーテムポールを死んだ木にするの。そういう運命なの。私はお嫁に行けないのだから、こうするしかしようが無いのです。駅員さん、どうか私を止めないでください。これが私の生き方なのですから。何卒〻。」

 

----あゞ、何という。

 

私は、失格だと思った。

私が、失格だと思った。

 

その晩、私は静かに、自分の生殖器を切り取って、死にました。

 

 

742字

2018/4/2 

 

 

 

 

 

 

淡家朴:第一作品『くぼっちゃん』(2018)

『くぼっちゃん』

 

    作者 : 淡家 朴

 

 

 

 こましゃくれが、今日までに拾い集めてきた言の葉を、一夜に集め直して、誰も見たこともないような木を夢想し、あからさまな態度をしてしまったのが良くなかったのです。また、特別な力を使うことなく、一夜にして集めたそれらを、誰にでも使えるように、つまり、明らかな状態にしようとはせずに、ただ、わがままに、新しいものだけを選びとろうとするがゆえに、一般に、それはそうだと了解できる範囲の別のところに凝り固まったのが、良くなかったのです。この二つの手前の自我の発動が、ありとあらゆる困難を招きました。これは、私が所謂、希死念慮の類に登り詰めたわけでも、特別を喪失したわけでもなく、まして、冷静な散文を書くために、芝居に狂おうとしたわけでもありません。たとえば、「うつつを抜かす」という言葉がありますが、そういう状態かもしれません。あるいは、死が迫った酒浸り老人が妄言を口にしているさまに同じかもしれません。もっとも、どうでもいい探り合わせですが。

ただ、生活に支障があるわけではなく、現実生活は私を常に幸せにしましたから、かといって、永続的な性質があるわけではないのですから、全く揺れ動きが無いというわけでもありませんでした。

テレビやインターネットも、それなりに見ました。光線を目に沁み込ませるようにして、人としての普通をそこに見つけようと頑張ったのかもしれません。ただ、そこに、じっとしている間は面白いのですが、じっとしていられなくなると、数分間も保つことのできない虚が目の前を覆って、私を静かにしました。要するに、私は退屈の中を生身のままで進もうと緊張するがゆえに、ただそこに自分の肉と心を置き去りにした馬鹿でした。そして、そのようにして囲い込みながら、私は私をまだ知りたがっています。露骨な感情。末尾にはこれを付けたいと思います。

「なんでこんなに不器用に生きているのか、俺にもわからない。ただ俺は、困った時に笑う癖があったから、俺が困った時は、みんな笑っていた。ずっとそうだった。そして、これからも、ずっとそうである。同じように俺は、君と一緒で良かったと思っていた。ずっとそうだった。そして、これからも、ずっとそうである。ありがとうという言葉を封じ得ぬのは、これだけしか知らないからである。ずっとそうだった。そして、これからも、ずっとそうである。」

『イノチカラガラ』(2018)

 

終局に立って我関せず

ジジイの寝言は「カネをくれ」

イノチカラガラ逃げ延びて

残ったイノチでネンキン集め

放っておいたら爆発する

架空生物の設定にメッセージ性

 

健康の為の全ては善良です

今まで散々指差してきた手に

摑まされたジェネリック

他でもないそのカネが

動かす天下のクリニック

 

白衣着た死神

カネとジカンを天秤にかけない

高くついた高速代とファストパス

全部払った後に懐く理想の理

目に見えないものが全て塵と化した

 

カネもコネも欲しいものは不可視で

知性と知識を磨いても

AIがそれを見事にこなした

それならこうだと知性をユーモアに

溶かして街に出てみたが

あまりにもカネと覚悟に乏しかった

ずっとズレたまま腐っていけと罵声

あの子にだけはと踏ん張ってみても

手中のAVがそれを見事に蹴散らした

カネもダメ

コネもダメ

アイもダメ

 

羽根もがれた骸が辿り着いた小部屋

うつつを抜かした当然の報いを受けよ

診断料は巡り巡って墓穴へ

更新料は巡り巡って墓穴へ

この刃も巡り巡って、次の刃へ

『ブロックパーティー』(2018)

 

無理無理無理無理あいつ無理

リムリムリムリムつらいリム

精神的拒絶の連鎖 弱さの連鎖

二度と関わらないで

吐き出し合う

ブロックパーティー

『幸福論』(2018)

 

幸せは大概

3分か4分かで終わり

冷静さが押し寄せて、終わり

シンガーの幸福論

聴いている間は幸せでも

そのあとの面倒は

アーティストの意向に沿わず

そのあとは君のものと言って去った

冷静さが、前にも増して、終わり

 

なんか、こうしていると

マッチ売りの少女みたいだ

音楽聴いている間の幸福なんて

自由の虚像みたいじゃないか

 

 

綺麗好きな世界は偏見を生む

三日もあれば穢れきってしまうカラダと

六秒もあれば消え去ってしまうココロを

わからなくなっては

また探してふりだしへ

唯一の定点は差異だという

 

どこまでも跳ねていく

決着はつけない

だって、そんな嘘はつけない

今君が幸せならば

せめて、静かにしていてくれ

『Boys be afraid again』(2018)

 

悟ったものは

悟り続けなければならない宿命

前に立つものは

導き続けなければならない運命

昨日の細胞で見ていた世界を

今日の細胞に書き換えなければ

何も意味がない

昨日脅かされた世界を

乗り越えたのなら

本当にやりたいことに

もう一度身を焦がせ

そうしてまた叩かれたとしても

最後に立って笑えばいい

Boys be afraid again

 

そんなに抱えて辛かろう?

僕はボンクラ

ただの石ころ

そういうことにして今日も生きたよ

未来の希望に寄り添える

天職を手に入れた

 

でも僕はまた君たちを

脅かすだろう

性懲りも無く 図に乗るとね

それでいいんだ

誰も叱ってくれなくなるからね

 

時代はクソ変わったけど

オトナはコドモを導くんだ

サバンナで生きる術を教えるんだ

だから、澄ました顔しないでさ

Boys be afraid again